製品を作る際に特別に最適設計された部品を微妙に相互調整しないとトータルなシステムとしての性能が発揮されない製品がインテグラル(摺り合せ)型です。自動車やオートバイ、精密機械がその代表例で、日本企業が得意とする製品分野です。
研究所や工場の技術者らが知恵を結集して一つ一つの材料をいかに最適に組み合わせるか、ノウハウを培う摺り合せは日本の製造業の競争力の源泉です。インテグラル(摺り合せ)型は日本の統合型もの造りシステム、チームワーク重視の現場の組織能力(もの造りの組織能力)を活かした製品といえます。
既に設計された既存の部品を巧みに組み合わせて、新しい最終製品を創造するのがモジュラー型です。モジュラー型の代表例は、自転車、PC、PCシステム、インターネット商品になります。
モジュラー型は既存の部品をどのように組み合わせて新しい創造的商品を作り上げるか、その構想力が重要です。摺り合わせや相互調整があまり必要でなく、新しいシステムを構築する能力、優れたビジネスモデルを作る能力のように戦略やコンセプト構想能力が鍵となります。アメリカ企業の得意とする分野で、90年代のアメリカ経済好況はモジュラー型のデジタル製品(PC、PCシステム、インターネット製品など)が牽引したものといえます。