深層フロントエンド

第3層::SPAフレームワーク

Webフロントエンドの今

DOM

§1 DOM

DOMって何

Document Object Model

 

HTMLを木構造で表したデータ

 = JSのオブジェクト

   HTMLを動的に変化させるためのインターフェース

 

動的に = ページの表示後に

§1 DOM

document

document or window.document = 木構造の本体

§1 DOM

const element = document.querySelector('.foo')

if (element.classList.contains('bar')) {
	element.classList.remove('bar')
} else {
	element.classList.add('bar')
}

木構造

Node, NodeList, Element, HTMLElement, ...からなる木構造

§1 DOM

html

head

body

ul

li

li

h1

p

title

meta

DOMいつ使うの

動的なHTML書き換え == DOMツリーの書き換え

 

リッチなUIのためにはDOMを触らなければならない


ブラウザ毎に仕様の細かい部分が異なる(特にIE)ので
普通はjQueryで代替する

jQueryすら使わないときはDOMのAPIを直で使う

§1 DOM

jQuery

§2 jQuery

jQueryって何

ブラウザ毎の仕様差を吸収したDOM操作ライブラリ

独自の「jQueryオブジェクト」の木構造でDOMをラップ
DOM操作、アニメーション等を、1つのコードでクロスブラウザ対応できる。
Google Maps で話題になったAjaxも。

「リッチなUI?とりあえずjQuery使っとけばおk」

§2 jQuery

jQueryつらくね?

デファクトスタンダードと呼ばれるまでに普及

 

JS(jQuery)をふんだんに使ったWebアプリケーションが流行

 

Webアプリケーションの巨大化

 

→ あれ?jQueryつらくね?

§2 jQuery

状態管理がつらい

HTMLの構造(=状態)は殆ど無限パターンある

条件分岐やnullチェックを大量に行い、
例外処理を徹底しなければならない

いちいちそんなコードを書いてるとコスパが悪い

規模が大きくなるほど他人のコードが読めなくなる
=書いた人にしか分からないコードが生まれる

§2 jQuery

密結合がつらい

jQueryはDOM全体にアクセス可能。

「上手い」人が疎結合に実装しても、抜け道はたくさん残る

「とりあえず動けばいい」思想の人が手を付けるとすぐに壊れる


(余談:CSSにおいても大体同じことが言えます)

§2 jQuery

jQueryの規模ではなくなった

jQueryはあくまでライブラリであってフレームワークではない

スケーラブルなアプリケーションを作るのための仕組みが無い

デザインやHTML/CSSコーディングの延長の気持ちで巨大なJSを書くと、すぐに苦しくなる

「Webアプリケーション」はjQueryだけで統治できる規模ではなくなった

§2 jQuery

SPAフレームワーク

§3 SPAフレームワーク

SPAフレームワークのおこり

jQueryでは耐えきれなくなったWebフロントエンド界に
GUIアプリケーションとなるためのフレームワークが誕生。

!!!Webフロントエンドのパラダイムシフト!!!

Vue Angular React ...

「MVVM」と「Flux」というアーキテクチャが主流
※アーキテクチャ … 設計。構造。

§3 SPAフレームワーク

MVVMアーキテクチャ

Model View ViewModel → MVVM

 

View = UIを描画する部分。

ViewModel = ViewとModelの仲介。抽象化やデータ変換等

Model = ビジネスロジック。


「このアーキテクチャに則って開発しましょう」

§3 SPAフレームワーク

MVVMとWeb

MVVMをWebに実際に当てはめてみると

Backend ↔ Model ↔ ViewModel ↔ View ↔ User

View    = DOM

ViewModel = VDOM(VirtualDOM, 仮想DOM)

Model   = 我々が書くJS

§3 SPAフレームワーク

フレームワークがもたらすもの

jQuery時代から変わったこと

 

→ VDOMがDOMをレンダリングする

 

→ 双方向バインディング

 

→ コンポーネント指向

§3 SPAフレームワーク

レンダリング

§4 レンダリング

すべてがJSになる

SPAフレームワークでは全てがJavaScriptの上に乗っかる。
サーバに配置するのは「index.html」と「index.js」だけ。

§4 レンダリング

<body>
	<div id="app"></div>
	<script src="index.js"></script>
</body>

あとはJSが、DOMを通じてHTML(とCSS)を
「レンダリング」する。

でも今HTML書いてるよ?

Vueの「.vue」、Reactの「.jsx」、Angularでは「.html」で
普通にHTML(のようなもの)を書く。

 

→ 「ビルド」時に「そういうHTMLを生成するJS」になる

 

 


https://ja.reactjs.org/docs/jsx-in-depth.html

§4 レンダリング

<MyButton color="blue" shadowSize={2}>
  Click Me
</MyButton>
React.createElement(
  MyButton,
  {color: 'blue', shadowSize: 2},
  'Click Me'
)

jQuery以前のJS

DOMの状態に応じて、DOMの状態を変化させる

 

DOMが基準で → JSが動き → DOMへ出力

 

コーディング時の気持ち:

 巨大なDOMを大胆かつ緻密に組み替えるJS処理を書く

§4 レンダリング

SPAフレームワークのやりかた

JSの状態に応じて、VDOMがDOMを生成(レンダリング)する

 

JSが基準で → VDOMが動き → DOMを出力

 

コーディング時の気持ち:

 小さなObjectを書き換えるJS処理を書く

 + Objectに応じて変化するDOMを書く

§4 レンダリング

双方向バインディング

§5 双方向バインディング

双方向バインディング

val = 'fuga' → テキストボックス「fuga」


テキストボックス「piyo」→ val == 'piyo'

§5 双方向バインディング

data() {
  return {
    val: 'hoge',
  }
}
<input type="text" v-model="val">

コンポーネント指向

§6 コンポーネント指向

コンポーネント

「コンポーネント」と呼ばれる小さな部品をいくつも作り、
コンポーネントの集合体が1つのアプリケーションとなる。

 

コンポーネントを組み合わせて新たなコンポーネントを作れる

 

 

テキスト入力欄 + 送信ボタン = テキスト送信フォーム

§6 コンポーネント指向

カスタムタグ

テキスト入力欄 + 送信ボタン = テキスト送信フォーム

§6 コンポーネント指向

<form>
  <input type="text">
  <button type="submit">送信</button>
</form>
<SubmitTextForm />

ページレイアウト

ヘッダー + サイドメニュー + 記事 + フッター

§6 コンポーネント指向

<div>
  <GlobalHeader />
  <SideMenu />
  <ArticleContent />
  <GlobalFooter />
</div>
<ArticlePage />

なぜコンポーネント化するのか

重要なのは「カプセル化」と「疎結合」

これによってソースコードの見通しを良くする


 = 気持ちよく開発・保守できるようにする

 = 他人のコードを読んで理解できるようにする

 = スケーラブル(追加・変更・削除が容易)になる

§6 コンポーネント指向

カプセル化

そのコンポーネントだけが必要とするデータは、
コンポーネント内部に隠蔽する。

外部との連携が必要なもののみ外部に公開する。

→「データの依存」が明確化される

§6 コンポーネント指向

Username

2 hours ago

隠蔽: 形状・配置・現在時刻
公開: 画像URL・名前・比較時刻

疎結合

コンポーネントが機能するために他のモジュールへの依存が少ない状態

 

 → そのコンポーネントを簡単に消せる状態
   被依存が少ない

 

 → 他のコンポーネントとの入れ替えが容易な状態
   インターフェースが単純である

§6 コンポーネント指向

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つづく

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