#2
ビデオゲームの初期の歴史①
メディア文化学特殊講義/美学美術史学特殊講義
月曜4限/第2回
松永伸司
2022.04.25
今日のメニュー
1. 質問への回答など
2. 初期の歴史の大まかな流れ
3. ビデオゲーム文化の誕生とアーケードゲーム
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1. 質問への回答など
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授業の説明
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リアクションペーパー
Q.
私の家族は龍が如くというゲームが好きなのですが、私と母はストーリーのアツさが好きで、弟はアクションゲームの操作が好きで、父はミニゲームのキャバクラ経営しかしないので、「ビデオゲームはプレイヤーによって経験がぜんぜん違う」というのは本当にそうだなと思いました。
Q.
数千円のソフトを買って遊ぶものよりもソシャゲ(無料アプリ)の方が人気、などという社会傾向はありますか?
「数千円のソフト」「ソシャゲ(無料アプリ)」「人気」をそれぞれ定義したうえで何らかの方法でデータをとって調べないと答えられませんが、あるかもしれませんね。
より重要なこととして、どういうタイプ(世代/文化的背景/社会的地位/etc.)の人々が、どういう遊びかたをする/どういうゲームを好む/どういう購買行動をとる傾向にあるかを気にしたほうが問いとして意味があるかなと思います。
A.
Q.
数独やイラストロジック、ジグソーパズルのようなアナログが元となったゲームをアプリですることが多いのですが、これはビデオゲームの一種に数えられるのか気になりました。
ある意味ではビデオゲームですが、ビデオゲームの特殊性が明確にあらわれるケースではないので、この授業ではあまり扱わないと思います。(パズルゲーム全般を扱わないということではありません。)
Q.
音ゲーはカードゲームやボードゲームと同様今回の講義では取り上げないのでしょうか。
音ゲーはアーケードゲームの一種だと思いますが、いくつかの理由でこの授業ではあまり取り上げないと思います。音ゲーを例にすればこの話題に関してこういう独特なことが言える、みたいなことがもしあれば、その都度教えてください。
Q.
〔…〕芸術や哲学にあまり明るくありません。ある程度自分で勉強しようかなと思うのですが、どれほど知識があるとよいでしょうか?推奨する書籍などあれば教えていただきたいです。
何か専門的な知識がないとわからないような話をするつもりはないですが(ゲームについての知識は多少あったほうがわかりやすいかもしれませんが)、聞いていてわからないことがあればその都度質問してください。
むしろ何らかの前提や先入見や関心があることで話のポイントが理解しづらい、みたいなことのほうが多いかもしれません。
Q.
まず諸理論を紹介してからそれがゲームに適用できるのかという流れで授業が進むと理解しているのですが、事前にその理論について調べておく必要はありますでしょうか。また、それに関わらず、読んでおいた方が良い参考文献等があれば教えて頂きたいです。
予習は不要です。予習のためではなく発展的な学習のための参考文献は、授業の中で示すことがあります。
よくわからないところがあったら、その都度質問してください。
Q.
これまでスポーツ系のゲームしかほとんどやってこなかったので(それ以外でやったことがあるのはマリオとスマブラとモンハンくらいだと思います)、自分がやっている種類のゲームが結構偏っているかもしれないのですが、頭に入れておいたほうがいいゲームは何かありますか?
どうでしょうね。具体例を見たときに、それをプレイしたことがなくてもだいたいこんなものかなと想像できるかどうかの問題かなと思いますが、どこまで想像力でカバーできるかについてはなんとも言えないです。
具体例にピンとこないことなどがあったら、その都度教えていただけるとありがたいです。
Q.
ゲームは鑑賞者ごとに作品のあり方が違うため、ゲーム批評が成立しづらい、というような話が講義中ありましたが、RPGのようなゲームに比べて、ノベルゲームの方が、批評が成立しやすい、というようなカテゴリーごとの批評のしやすさに差異はあるのでしょうか。あるいはノベルゲームでも、全ルートを網羅する人もいれば、そうでない人もいるし、ルートを潰し込む順番も人によって違うため、作品のあり方は鑑賞者ごとに異なる、ということになり、いずれにしても批評は成立しづらいということになるのでしょうか。
どうなんでしょうね。「インタラクティブだから批評は難しい」という理屈でそう主張する人にとっては、ノベルゲームも批評が難しいということになるのかもしれません。それとは別に、ストーリーが明確にある作品のほうが、ある種の批評がしやすいという面はあると思います。
Q.
〔…〕「ゲームは文学や映画に対して批評の実践が難しいのかもしれない」という話題に対して、ゲームに限らずそもそも「批評」とはなぜ必要なのだろうか、と疑問に感じました。これに答える本などがありましたら教えていただきたいです。
キャロル『批評について』(勁草書房)に批評の意義についての話があったかは忘れましたが、批評とは何をすることなのかについての本なので、参考になると思います。
北村『批評の教室』(筑摩書房)は批評から得られるものをわかりやすく示している本だと思います。
いずれにしても、「必要性」の有無やその理由は「誰にとって」や「どの文脈において」に相対的なので、一般的な問い(たとえば全時代の全人類にとってなぜ必要か)にしてしまうとポイントレスになるでしょうね。
2. 初期の歴史の大まかな流れ
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なぜ歴史の話をするのか
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2つの起源とその合流
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注意点など
歴史の話をする理由
理論志向の授業であるにもかかわらず、なぜ歴史を取り上げるのか。
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主な理由:
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ビデオゲームには、ルールとフィクション(いろいろな言いかたがある)という異なる2つの側面あるいは遊びかたがあるとよく言われる。
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そのような独特の二面性があるのは、ビデオゲームの歴史的な成り立ちのゆえだと考えるとすっきりする。
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なので、まずは歴史を見ましょう。
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別の理由:
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単純に教養として知っておいたほうがよい。
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先に結論
結論から先に言うと:
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いま「ビデオゲーム」と呼ばれているものには、大きく分けて少なくとも2つの異なる起源と流れがある。
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いずれも1970年代に生じた。
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1980年代半ば以降の家庭用ゲーム機(とくに任天堂ファミリーコンピュータ)の大規模な普及に伴って、その2つの流れがひとつの文化とメディアのうちに合流した。
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タイトルやジャンルによってその比率は異なるが、それぞれの流れを汲んだ2種類の要素は、ビデオゲームの中に多かれ少なかれ同居している。
2つの起源
「2つの起源と流れ」とは?
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アーケードゲームの系統
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ロールプレイングゲーム(RPG)とアドベンチャーゲーム(ADV)の系統
※ 加えてウォーゲーム(戦略/戦術シミュレーション)の系統も別に立ててもいいかもしれないが、この授業では2つにしておく。
アーケードゲームの流れ
RPG/ADVの流れ
注意点など①
注意点いろいろ
ビデオゲーム史についての常識的な内容ではあるが、かなり雑でざっくりした説明になる。
細かい事実や作品については、説明からけっこう漏れている。
文化史を語ろうとするときには必ず出てくる問題だが、あらかじめご了承ください。
あれはどうなんだ的な疑問があれば、Slidoやリアクションペーパーに書いてください。
注意点など②
前提いろいろ
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少なくとも文化の生産という観点で見た場合の初期のビデオゲーム史は、アメリカと日本を中心に展開したと言っても過言ではない。イギリス発のコンソールや作品もいちおうあるが、グローバルな観点で見ればメインストリームとは言えない。
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ただし、文化の受容という観点で見れば、各国・各地域にそれぞれ独自のビデオゲーム受容史(アメリカや日本のゲームをいかに受容したか)がある。
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加えて、まだ冷戦期なので、東側諸国についてはかなり独特の歴史があるらしい。
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この授業では、アメリカと日本中心の歴史観で話を進めるが、ビデオゲームの歴史(とくにその初期)がどのように見えるかは地域ごとでけっこう違うというのは重要。
注意点など③
物語としての歴史
歴史一般に言えることだが、歴史記述は客観的事実のたんなる羅列ではなく、事実を取捨選択したり互いにつなぎあわせたりして理解可能なかたちに作り上げるという面を不可避に持っている。
つまり、歴史記述はある種の物語を作るものである。
この授業で説明する「ビデオゲーム史の流れ」も、あくまでひとつの語りのもとで見えてくる流れだという点に留意しておいてください。
※ こういう話に関心がある方は、科学哲学の一分野の歴史学の哲学を勉強するとよいです。入り口としては、たとえば苗村弘太郎さんの一連の論文を参照。👉 https://researchmap.jp/KotaroNamura
3. アーケードゲームの歴史
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ビデオゲーム文化の誕生
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アーケードゲームの流れ
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アーケードゲームの特徴
最初のビデオゲーム?①
最初のビデオゲームは何か
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よく名前が挙げられる候補:
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OXO (1952)
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Tennis for Two (1958)
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Spacewar! (1962)
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etc.
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「最初のx」は単純にxをどう定義するかに依存するので、何か正解があると考えるのはナンセンス。むしろ文化史的な連続性(その後への影響)があるかないかを考えたほうがよい。
OXO (Alexander Sandy Douglas, 1952)
シングルプレイの○×ゲーム。ケンブリッジ大学数学科の博士課程だったA. S. ダグラスが、ヒューマンコンピュータインタラクション関係の論文の一部として開発したもの。
Tennis for Two (William Higinbotham, 1958)
マルチプレイのテニスゲーム。ブルックヘブン国立研究所の展示会向けに開発されたもの。
Spacewar! (Steve Russell, 1962)
マルチプレイの全方位シューティング。MITの学生だったスティーヴ・ラッセルが研究室のコンピュータ(PDP-1)用のプログラムとして開発したもの。面白いと評判になり、紙テープのプログラムが多数コピーされ、アメリカの多くの大学に広まった。
Emulator: https://www.masswerk.at/spacewar/
最初のビデオゲーム?②
後続の文化との関係
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いずれも当時の先端技術であった初期コンピュータのデモンストレーション(あるいはそれを使った実験)として研究機関で開発されたものであり、商業向けのものではない。
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このうちのSpacewar!は、その後の商業的なアーケードゲーム文化との関係が明確にある。
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Spacewar!は多くの大学にコピーが広まったが、ユタ大学の学生であったノーラン・ブッシュネルもこのゲームをプレイし、のちにそれを模倣するかたちで、世界初のアーケードビデオゲームであるComputer Spaceを開発した。
アーケードビデオゲーム文化の誕生①
ビデオゲーム前夜のアーケード
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コインを入れて遊べる商業用の機械は、ビデオゲーム以前にも存在した。
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ピンボールマシン
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フォーチュンテラーマシン
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射撃ゲーム
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etc.
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そうした遊戯機械は、パブなどの飲食店や、遊技場(アメリカでは「ペニーアーケード」と呼ばれる)に置かれた。「アーケードゲーム」は本来そのような遊戯機械全般を指す語である。
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最初の商業用のビデオゲームは、従来の遊戯機械と並ぶものとして(その延長線上のものとして)開発され、設置され、プレイされた。
ペニーアーケードの遊戯機械
Photo: https://www.vintag.es/2015/12/wonderland-arcade-in-1968-this-is-what.html
List: http://www.pinrepair.com/arcade/
アーケードビデオゲーム文化の誕生②
ノーラン・ブッシュネルとアタリ社
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ブッシュネルはSpacewar!にヒントを得てComputer Spaceを開発するが、まったく人気が出なかった。
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しかし、続いて開発したPongが大ヒット。Pongによって、コインを入れてビデオゲームをプレイするという文化が明確に確立することになる。
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ブッシュネルが創業したアタリ社は、1970年代~1980年代前半まで多くのアーケード向けビデオゲーム作品を発表した。
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重要な作品・コンソール
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Computer Space (1971)
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Pong (1972)
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Breakout (1976)
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Atari VCS (Atari 2600) (1977)
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Computer Space (Syzygy, 1971)
最初のアーケードビデオゲーム。Spacewar!の模倣でシングルプレイの全方位シューティング。まったく人気が出ず。
Pong (Atari, 1972)
マルチプレイの卓球ゲーム。シンプルな操作で大ヒット。その後のアーケードビデオゲーム文化の基礎になった。
Breakout (Atari, 1976)
シングルプレイの卓球ゲーム。日本でも「ブロック崩し」としてヒットする。『スペースインベーダー』はBreakoutに影響を受けていると言われる。
日本のアーケードゲーム①
日本のアーケードゲーム文化
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アメリカのペニーアーケードと同様に、遊戯機械が置かれた遊技場(ゲームセンター)はビデオゲームの登場以前から存在した。
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セガやタイトーなどは、もともとそうした遊戯機械のメーカーだった。
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1970年代の半ばまでの日本のアーケードビデオゲームは、アタリなどのアメリカ産のアーケードゲームの移植やコピーが中心で、とくにBreakout(ブロック崩し)とその模倣作品が人気を博した。
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1978年に登場したタイトーの『スペースインベーダー』が社会問題になるほどの人気を得る。ビデオゲームをプレイするという文化が社会的に明確に認知され、マスカルチャーとして確立する。
※ ビデオゲーム以前の日本のゲームセンター史については、川﨑寧生「日本の「ゲームセンター」史:娯楽施設が社会に根付く過程を中心に」(立命館大学博士論文、2020年)を参照。👉 https://doi.org/10.34382/00014055
『スペースインベーダー』(タイトー、1978)
シングルプレイのシューティングゲーム。国産ビデオゲームの最初の大ヒット作品。多くの模倣作が作られるとともに、「インベーダーハウス」と呼ばれる専用のゲームセンターが多数生まれた。
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日本のアーケードゲーム②
インベーダーブーム以降
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『スペースインベーダー』のブームに続き、1980年前後に国産アーケードゲームの名作が立て続けに作られていく。
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とくに重要な作品:
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『ギャラクシアン』(ナムコ、1979)
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『パックマン』(ナムコ、1980)
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『ドンキーコング』(任天堂、1981)
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『ゼビウス』(ナムコ、1982)
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この時期は、アメリカでも良作が多数作られ、「アーケードビデオゲームの黄金時代」と呼ばれる。
『ギャラクシアン』(ナムコ、1979)
シングルプレイのシューティングゲーム。インベーダーライクだが、ただの模倣にとどまらない新しい魅力を持つ。
『ゼビウス』(ナムコ、1983)
シングルプレイのシューティングゲーム。縦スクロールシューティングの古典。
『パックマン』(ナムコ、1980)
シングルプレイのアクションゲーム。わかりやすいルールとかわいいビジュアルで海外でも人気。
『ドンキーコング』(任天堂、1981)
シングルプレイのジャンプアクション。宮本茂の最初の作品であり、マリオの初登場作品でもある。アメリカで大ヒット。
日本のアーケードゲーム③
ゲーム&ウオッチ
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それ自体はアーケードゲームではないものの、ゲーム内容や操作系などの点でアーケードゲームの系統に近いものとして、任天堂の携帯ゲーム機「ゲーム&ウオッチ」シリーズ(1980–1986)がある。
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『ドンキーコング』の移植版をはじめ、多くのアクションゲームが作られた。
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子どもがビデオゲームをプレイするという文化が確立するとともに、十字キーという新しいUIが広まり、後続するファミコンブームに直接つながることになった。
ゲーム&ウオッチ(任天堂、1980–1986)
子どもを中心に大ヒットした携帯ゲーム機のシリーズ。電卓のようにグラフィックのバリエーションがあらかじめ画面に組み込まれているLSIゲーム(液晶型携帯ゲーム)であり、1つのハードに対して1つのゲームしか遊べない。十字キーを入力インターフェイスとしてはじめて採用し、それがのちのファミコンに受け継がれる。ファミコンの開発資金は、ゲーム&ウオッチの収益によってまかなわれたらしい。
日本のアーケードゲーム④
ファミコンブームへ
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1983年に、任天堂の家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータが発売される。
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ほかのゲーム機(ゲームユースが中心のパーソナルコンピュータも含む)よりも安価であり、またゲームに特化したスペックのおかげでアーケードゲームの移植を含む多くのソフトがファミコン向けに作られたのもあって、発売当初から人気に。
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加えて、1985年9月に発売された『スーパーマリオブラザーズ』のメガヒットによって、多くの世帯にファミコンが浸透するという状況になった。
ファミリーコンピュータ(任天堂、1983)
安価かつゲームユースに特化したスペックで、競合する他社の機種を制した。北米やヨーロッパなどでも、Nintendo Entertainment System(NES)として発売された。
『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂、1985)
シングルプレイのジャンプアクション。『ドンキーコング』を作った宮本茂の作品。ビデオゲーム史の全体を通して、もっとも影響力のある作品のひとつ。
勉強用の文献
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ビデオゲーム史全般
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中川大地『現代ゲーム全史』早川書房、2016年
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さやわか『僕たちのゲーム史』星海社、2012年
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小山友介『日本デジタルゲーム産業史 増補改訂版』人文書院、2020年
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アーケードゲーム・ファミコン史
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赤木真澄『それはポンから始まった』アミューズメント通信社、2005年
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上村雅之・細井浩一・中村彰憲『ファミコンとその時代』NTT出版、2013年(とくに上村の章)
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川﨑寧生「日本の「ゲームセンター」史:娯楽施設が社会に根付く過程を中心に」立命館大学博士論文、2020年
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4. 成績評価など(再掲)
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リアクションペーパーについて
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成績評価について
リアクションペーパーについて①
リアクションペーパーの提出
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毎回の授業後に、Googleフォームを通してその回の授業についてのコメントを提出していただきます。
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GoogleフォームのURLは、PandAの「お知らせ」で共有します。
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提出の締め切りは、同じ週の金曜日になる予定です。
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提出実績およびコメント内容は、成績評価に使います。
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いただいたコメントは、名前を伏せたかたちで次回授業で紹介することがあります。
リアクションペーパーについて②
リアクションペーパーに書いてほしい内容
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各回とも、その回の授業の重要なポイント(と思ったこと)を簡単にまとめたうえで、それについての自分の感想や疑問や発展的に考えたことを書いてください。
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要点をおさえて書くことを意識してください。長く書けばよいわけではありません。
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そのときどきで書いてほしい内容を具体的に指定することもあるかもしれません。
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その他質問などあればなんでも書いてください。
成績評価の方針①
基本方針
期末レポートやテストはありません。各回のリアクションペーパーの提出実績およびコメント内容のみで成績を評価します。
出席もとりませんが、リアクションペーパーが実質的に出席のかわりになっていると考えてください。
成績評価の方針①
基本方針
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期末レポートやテストはありません。各回のリアクションペーパーの提出実績およびコメント内容のみで成績を評価します。
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出席もとりませんが、リアクションペーパーが実質的に出席のかわりになっていると考えてください。
成績評価の方針②
リアクションペーパーのコメントの評価基準
以下の3点を中心に総合的に評価します(①と③を重視します)。
①理解:
その回の授業の内容を適切に理解しているかどうか。
よくわからないところがあっても、「ここまでは理解したが、ここから先でわからなくなった」みたいな感じで書いていただければ問題ありません。
②整理:
要点を的確にまとめられているかどうか。むだに冗長な場合は減点する場合があります。
③自発的な思考:
自分なりに問題意識をもっていろいろ考えられているかどうか。
コメントは何を書いていただいてもかまいませんが、成績評価の対象になるのは授業の内容に関連する部分だけです。
成績評価の方針②
リアクションペーパーのコメントの評価基準
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以下の3点を中心に総合的に評価します(①と③を重視します)。
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①理解:
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その回の授業の内容を適切に理解しているかどうか。
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よくわからないところがあっても、「ここまでは理解したが、ここから先でわからなくなった」みたいな感じで書いていただければ問題ありません。
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②整理:
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要点を的確にまとめられているかどうか。むだに冗長な場合は減点する場合があります。
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③自発的な思考:
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自分なりに問題意識をもっていろいろ考えられているかどうか。
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コメントは何を書いていただいてもかまいませんが、成績評価の対象になるのは授業の内容に関連する部分だけです。
おまけ
来週について
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5/2はGWの真ん中なので休講にします。
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なので次回は5/9になります。
スライド最後
メディア文化学/美学美術史学特殊講義 2
By Shinji Matsunaga
メディア文化学/美学美術史学特殊講義 2
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