VISUAL複素解析

複素数は二次元の数である

複素数は、横軸に実数、縦軸に虚数をとった複素平面上のベクトルとして表される。

実数成分と虚数成分を分けて表す方法と、絶対値(ベクトルの長さ)と偏角(実数軸からの角度)

で表す極形式表示がある。

極形式表示はオイラーの公式 \(r e^{i \theta} = r (\cos\theta +  i \sin\theta)\) により簡単に表せる。

極形式

普通の表示

複素数の四則演算は図形の相似変換である

複素数の加算平行移動乗算拡大回転である。

この2つの操作は、図形を相似に保つ変換である。

加算平行移動

乗算拡大回転

(a_1 + i b_1) + (a_2 + i b_2) = \\ (a_1+a_2) + i (b_1+b_2)
r_1 e^{i \theta_1} \cdot r_2 e^{i \theta_2} = r_1 r_2 e^{i (\theta_1+\theta_2)}

複素関数は図形の変形である

例:\( f(z) = e^z\) による変換では、直交座標が極座標(ただし径方向の目盛りは等間隔でない)に変換される。

実数関数と同じように扱えるふつうの複素関数は正則(まさのり)性
という条件を満たす。
正則な複素関数は、微小正方形を必ず微小正方形に移す。
これは実関数の微分可能の概念の拡張である。

またこのことは角度を保つこと同値であるため、正則複素関数による変換は等角写像と呼ばれる。
 

 

正則な複素関数は微小正方形を微小正方形に保つ

\(dw = f'(z) dz\)

\(dw\)

\(dz\)

\(z\)

\(w=f(z)\)

Text

\(f(z)\)は微小正方形に対し \(f'(z) \) をかける
掛け算は拡大回転なので微小正方形は
微小正方形に
保たれる

正則性はとても強い条件である。

正則性はとても強い条件であり、関数の一部の振る舞いが分かる
正則性を満たすという条件から全体の振る舞いが分かってしまう。

数独のルール

正則性

数独と同じ!

解析接続は正則性を使った数独

ゼータ関数とは級数 \( \sum_{k=1}^{\infty} k^{-s} \)を\(s\)の関数として捉えたものである。

この級数は\(\mathrm{Re}(s) < 1\) のとき収束するが、関数が全領域で正則であるという条件を要求すると、

すべての複素数 \(s\)に対して\(\zeta(s)\)の値を定義できる。

Visual Complex analysis

By Hayashi Yoshiaki

Visual Complex analysis

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