富裕層のための

ゆかしメディア( YUCASEE MEDIA ) 傑作選

~ 教育編(1)~

 

― 目次 ―

世界的エリート養成校、名門ボーディングスクールへ進学する方法(2010.7.6)   … 2

5歳から始める「スイスのボーディングスクール留学」(2009.7.3)        …13

王侯貴族が集うスイスの名門校「ル・ロゼ」での高校生活(2010.3.10)       …19

世界的エリート養成校、名門ボーディングスクールへ進学する方法

【若草まや(わかくさ・まや)】
低年齢留学コラムニスト/医師。東京女子医大卒。2人の幼い娘のために最良の教育を探し求めた結果、世界の名門ボーディングスクールに魅せられ、2001年、娘たちをスイスに留学させる。著書に『5歳6歳スイス留学大作戦 完全版―ボーダレスな世界で生きられる子供たちに』(かんぽう/1260円)がある。

日本人が知らない学校に世界最高の教育がある?

 急速なグローバル化の影響と日本の英語教育に不満を持つ親たちの増加で、中学校や高校から海外留学を検討する子供たちが増えてきました。海外留学先を紹介する会社も増え、その気にさえなれば、世界各国の学校に進学できるというイメージが一般にも浸透しています。

 しかし留学が身近になった一方、専門家によると、世界的名門校と言われる学校に実際に日本人が入学することは稀なのだといいます。また、留学会社が紹介する学校は「日本人の英語力で入学できるレベル」の学校が多く、世界の富裕層が子供を行かせたいと願う「真の名門校」はなかなか紹介しにくいのが実情だそうです。
 世界の富裕層の子弟が集う「真の名門校」とはどのような学校なのでしょうか。また、日本人がそれら名門校に入学するのが難しいのはなぜなのでしょうか。今回、「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」は医師を本業としつつ「低年齢留学コラムニスト」として活躍する若草まやさんにインタビューしました。
 若草さんの2人の娘はスイスのボーディングスクール「ラ・ガレン」に5歳・6歳から留学し、その後日本のインターナショナルスクールへ転入。そしてご主人の海外赴任を機にミドルスクールからはオーストラリアの名門ボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール(Geelong Grammar School(以下GGS)」へ進学しました。

チャールズ皇太子も留学した豪名門ボーディングスクール

 オーストラリアのメルボルン近郊にある、1855年創立のボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール(GGS)」。厳格な英国国教会系のブリティッシュスクールで、中核となるコライオキャンパスには5年生から12年生の生徒約1500人が学んでいます。世界の王侯貴族に人気の学校で、過去には英チャールズ皇太子、タイ王室関係者、インドのガンジー一族なども在籍しました。2006年、このオーストラリア屈指の名門校に、若草さんの2人の娘は日本人留学生としては歴代最年少の5年生と6年生で入学しました。
-GGSは日本人にはほとんど知られていない学校だと思いますが、世界に数あるボーディングスクールの中で、GGSが富裕層に選ばれる理由は何でしょうか?

若草さん「GGSはハイスクールの12年生までの生徒が学んでいますが、実はミドルスクール最高学年の9年生が、この学校を世界的に有名にしています。9年生の一年間は『ティンバートッププログラム』という特別カリキュラムになり、これを受けるために世界中から富裕層の子供たちがこの学校に集まるのです。一部のヨーロッパ貴族の家系では、代々『出生届と同時にティンバートップに願書を出せ』とも言われるそうです。」
 「ティンバートッププログラム」とは、一体どのようなカリキュラムなのでしょうか。

1年間山にこもって心身を鍛錬する「ティンバートッププログラム」

「GGSのミドルスクールは5年制で、5年生から9年生までの生徒が在籍します。そのうち9年生だけ、男女ともティンバートップという高地にあるキャンパスに移動します。1学年全員が1人残らず山の上にこもり、一年間のサバイバル生活を送ります。外の世界から遮断された環境の中で、大自然と親しみながら規律正しく暮らし、勉学と集団生活に没頭します。普通のボーディングスクールは週末になれば外出もできますが、ティンバートップではそれも許されません。」
-厳しい規律の中で一年間こもるということに意味があるのですか?
「富裕層の家庭ではしばしばリーダー教育の一環として、我が子にあえて適度な苦難を与え、厳しい環境下で鍛錬させることに意義を見出す親がいます。この一年間だけを経験するためにGGSに来る生徒も多いですよ。ティンバートップを目指して、オーストラリア全土はむろん、ヨーロッパやアメリカ、ドバイ、香港、タイ、マレーシアなど世界中から生徒が集まってきます。娘2人が行った時には、オランダの石油会社やアジアの航空会社、アメリカの有名チョコレートメーカーなど、誰もが知っている世界的企業経営者のお子様がご一緒でした。」
 かなりの生徒がミドルスクールの集大成であるティンバートッププログラムに照準を合わせて入学するため、ティンバートップを修了してシニアスクール(=ハイスクール)に進級する際には、帰国したり欧米のボーディングスクールへと去る留学生が出てきます。その分の空席が生じるので、シニアスクールはミドルスクールより競争倍率が減って少し手が届きやすくなるということですが、「やはりGGSの醍醐味はミドルスクール」だと若草さんは強調します。

自分の馬を学校にもってくる生徒も……

-GGSの生徒はどのような日常生活を送っているのですか?

「ハリーポッターに出てくる全寮制学校さながらの毎日です。広大な敷地に点在するハウスと呼ばれる寮には1つ1つ名前とカラーが決まっていて、スポーツシーンで着用するユニフォームはもとより女の子の場合は髪をまとめるリボンやカチューシャに至るまで一斉にお揃いのハウスカラーのを使います。娘2人が入ったのは『コンウェア(通称コニー)』と名付けられたミドルスクールの女子寮でした。
コニーはティンバートップを除く5~8年生の生徒で構成されていました。それら4学年を縦割りにして3~4人ずつドーム(小部屋)に分け、8年生の生徒がドームリーダーに任命されます。全員がまるで姉妹のように親しく接し合い、長く在籍するうちに妹の立場も姉の立場も順番に経験できる仕組みになっています。寮生活を共に過ごした仲間とは絶大な信頼関係が育まれ、卒業後も強い絆で結ばれた一生の友人同士になります。母親代わりを務めてくださる優しい先生と、身の回りのお世話をしてくれるハウスメードも、寮に住み込んでいました。」
-生徒は、やはり富裕層の家庭の子の割合が高いのでしょうか。
「そうですね。でも、一定の割合で、経済的に恵まれないオーストラリアの先住民アボリジニの生徒に奨学金を出して受け容れていました。GGSはオーストラリアでは学費が突出して高いだけに、スケールの大きなエピソードをよく聞かされました。例えば、お父さんから『誕生日プレゼントは何がいい?』と尋ねられたお友達が『馬が欲しい!』と答えると、寮に本物の馬が届けられたりします。GGSでは乗馬用に自分の馬を持ち込むことが許されていて、クラスメイトの何人かが自分の馬を学校に常備していました。課外授業は乗馬の他に、ポロやホッケー、テニスなどのスポーツから、音楽、芸術まで、望めば何でもできます。ビクトリア湾に面したグラウンドの一端にはヨットハーバーまであり、プライベートビーチでカヌーやサーフィンを習うこともできるんです。
-GGSの授業の特徴を教えてください。
「学校の授業は、少人数・進達度別クラス編成が徹底され、得意分野も苦手分野も持てる力を存分に発揮できるような丁寧な指導をしてくださいましたね。外国語科目にしても、フランス語・ドイツ語・スペイン語・日本語・中国語の5科目ある上、おのおの初級・中級・上級クラスが用意され、その中から好きな2科目を並行して学ぶことができました。あらゆる面でパーソナルケアが非常に充実していて、個々の生徒の志向やレベルに合わせてやりたいことをアレンジしてくれました。まさに“夢の学校”と比喩されるのに相応しく、親の私のほうが10代に戻って通ってみたい気持ちになるような、素敵な学校でした。父母会のパーティーも華やかでしたね。」

ジーロン・グラマー・スクールを選んだ理由

-GGSを選んだのは、その教育レベルの高さが理由ですか?
「はい。幼かったスイスの頃と違って、子供たちが勉学意欲旺盛な伸び盛りの年齢でしたから、教育レベルの高さは不可欠の必須条件でした。学年ごとのカリキュラム内容をチェックするのはもちろん、ハイスクールの卒業生が例年どのような大学に何人くらい進学しているのかという実績や、全国単位の統一試験における在校生のスコア分布なども目安にして、アメリカとヨーロッパそしてオーストラリアから、いくつかの候補をピックアップしました。
その中でGGSに軍配が上がる決め手となったのは、日本から往復する際の移動の利便性でした。スイスのボーディングスクール時代は毎学期の始めと終わりの送り迎えを親がしていましたが、それがかなり負担だったのです。年間6~7回にも及ぶ送り迎えがとても大変だったため、2回目は『日本から直行便が飛んでいて小学生の子供だけで行き来できるエリア』に限定して学校を探しました。教育レベルと地理的条件の双方からアプローチして絞っていったら、GGSがベストだと判断したわけです。」
 具体的には学校選びの過程でGGSと合わせ、スイスの名門ボーディングスクールであるエイグロンカレッジやル・ロゼも視野に入れ検討したり、アメリカのテンスクール(アメリカの名門プレップスクール10校)への進学を念頭にその前段階となるプレ・プレップスクールを見学しに出向いたりもしたそうですが、上記のようなプロセスを経て最終的にGGSに落ち着いたといいます。
「GGSはメルボルン空港から約1時間と近く、日本からメルボルンへは、長距離フライトとはいえ直行便があって途中で飛行機を乗り継ぎしないで行けるところが、10歳そこそこの子供にとってはハードルが低くて安心でした。また当時は将来の子供の進路を英国に求める可能性も考慮していたので、GGSが地元メルボルン大学のみならずオックスフォードをはじめとする英国の大学進学にも有利なブリティッシュスクールであることも魅力だったのです。学校の情報は留学会社を通さず、インターネットや、拙著巻末資料でご紹介した書籍『プレップ・スクール』(田中義郎編著・C.S.L.学習評価研究所発刊)などを使って自力で調べました。」
 日本での知名度はほとんどないものの、世界では屈指の名門校として名を馳せるオーストラリアのボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール」。 では、この学校のような世界的名門校に進学するためにはどうすればよいのでしょうか。次回はボーディングスクールの入学試験とその際の注意点をみていきます。

豪名門ボーディングスクール合格までの2つの関門

 日本での知名度はほとんどないものの、世界では屈指の名門校として名を馳せるオーストラリアのボーディングスクール「ジーロン・グラマー・スクール(Geelong Grammar School、以下GGS)」。このような世界的名門校へ進学するにはどんな手続きが必要なのでしょうか。
-GGSの入学試験はどのように行われますか?
若草さん:「まず第一関門として、海外からの出願者に対しては全員AEASテストを受験することが求められます。AEASテストとは、オーストラリアへ留学を希望する外国人生徒に対してAEAS(Australia Education Assessment Service)が施す公的な試験です。英語力や学力を判定するための資料の1つとして、全豪のいくつかの私立学校で出願時の受験が義務付けられています。日本では、JEAA(Japan Education Advancement Association)が、AEASテストの日本事務局として認定されていて、JEAAに登

録された試験官のもとで厳正に試験が行われます。このテストのスコアが芳しくないと願書を受け付けてもらえないこともあります。日本人にとっては、オーストラリアの名門ボーディングスクールの門戸を狭くする1つの要因となっています。」
 AEASテストの試験科目は英語の口頭試問(面接)・リスニング・筆記・エッセーと、数学、知能テスト。学年別に異なるレベルの試験問題が全科目英語で用意され、所要時間は3時間です。受験料は、若草さんの娘たちが受験した2005年秋の時点で1人3万円でした。得点結果は受験後2~3週間ほどで出され、試験官が直接、各学校へ通知します。
 AEASテストをクリアすると、次は第2関門として、現地で行われるインタビュー(面接試験)に出向きます。

最初は「日本人は歓迎されないムード」が漂っていた

-面接では子供のどのような面をみられますか?
「面接試験では学力と英語力、そしてその学校に順応してやっていける子供かどうかを、さまざまな角度からチェックされます。実は、私どもが出願前に日本から問い合わせた当初、GGSの入試担当官からは『ああ、日本人ね。日本人は簡単に入れると思わないでくださいよ』と、あまりにもそっけない態度でくぎを刺されていました。
おそらく、日本人だから英語力が乏しくAEASテストの関門を乗り越えることすら難しいだろう、という先入観があったのでしょう。最初から決めつけているみたいな口調でした。でも面接が始まり、校長先生に、以前はスイスのボーディングスクールに3年間留学していたことを話したら、風向きがガラリと変わりました。『おや、スイスのボーディングスクールにいたの? それなら大丈夫、この学校に喜んでお迎えしましょう』と、にこやかな笑顔で即座におっしゃいました。
『スタートがスイスのボーディングスクール』というのは、図らずも大きなアドバンテージであったかもしれません。次の進学先にアプライしやすい、受け入れてもらいやすいという観点では、大変貴重なポイントでした。可能性を広げる意味合いからは、スイスでの開始年齢が小さければ小さいほど、そのキャリアが評価され有利に展開します。姉妹を5歳と6歳でスイスへ手ばなした判断は正しかったのだと、GGSのインタビューで強く感じました。」
 GGSは5年生の定員が20人、6年生が40人ほど。海外からの留学生だけでなく、3つの附属小学校から地元の生徒も選抜されて上がってきます。数々の難関をくぐり抜けて、若草さんの娘たちは日本人留学生としてはGGS歴代最年少の5年生と6年生で合格しました。

日本人が世界的名門校に入学できない最大の要因、「英語の壁」

-「日本人だから英語力が劣っているだろう」という印象が、海外の学校にはあるのですね。
「はい。日本人は相応の学力が身に付いていても、英語の壁が厚いせいで、特に大きい学年になるほど英語圏のボーディングスクールにはすんなり受け入れてもらえないのが現実です。インターナショナルスクールやボーディングスクールでの下積みがないと、かなり難しいのではないでしょうか。
GGSには世界中からたくさんの留学生が集まりますが、日本人が期待するようなごく初級レベルが対象のESL(English as a Second Language、母国語が英語以外の人のための英語教育)クラスの設定はありません。入学直後からある程度高い英語力を要求されるため、日本の普通の学校から英語圏の学校を経由せずに直接アプライする日本人の合格実績は低いのです。娘2人が入学した年を例に挙げますと、ミドルスクールの日本人留学生は彼女たちだけでした。またシニアスクール(=ハイスクール)に数名いた日本人上級生は、欧米やシンガポールなどの現地校やインターナショナルスクール出身者がほとんどでした。
他国のボーディングスクールでも、日本人については、似たり寄ったりの傾向が見受けられます。学校によっては、アプリケーションの段階で日本人と聞いただけで、英語力に関する警戒心を露骨に表して難色を示す入試担当官もいます。それは決して先方が日本人に対してことさら意地悪だからでも何でもなく、実際に入学させてみると、乏しい英語力ではハードな授業にとてもついて行けないことを純粋に懸念した結果なのだとよくわかります。
また英語にばかり気を取られていると、意外な伏兵につまずきます。実際に学校のカリキュラムをこなすにあたって、予想していなかった障害物となりがちなのが、ITリテラシーです。GGSでは1人1台ずつノートパソコンを与えられ、それを使って授業を進めるのが日常。ミドルスクール入学前の段階で、オフィス程度は扱えて、簡単なプレゼンテーションを自作のパワーポイントで行えるくらいのレベルになっておかないと、ギャップを埋めるのに苦労します。娘たちは幸い小学校低学年だったスイス時代からずっとコンピューターの授業がありましたから、戸惑いませんでした。」

-日本の留学会社が現地の名門校を紹介しようと思ってもなかなか難しいのは、そのせいなのですね。
「そうです。日本でオーストラリアに留学というと、英語ができなくても入れる学校にホームステイや交換留学の形式で、というようなイメージを持つ方が多いと思います。その蔭で、出願時にAEASテストを必須条件として課すような名門ボーディングスクールに入ることは非常に大変です。
しかしひとたび入学してしまえば、そういった難関校ほどこまやかで優れた教育体制をシステマティックに確立しており、その恩恵をたっぷり享受できます。もちろん留学する年齢や留学目的にもよるのですが、留学後に海外の大学への進学を想定しておられるなら、AEASテストを受けることを前提にしてでも、難関校を目標にして奮起してもらいたいですね。
日本の留学会社は、『日本人の英語力で入れる学校』を紹介します。日本人の手が届きにくい難関校を薦めることはまれです。また日本で名門校と謳われていても、現地で評判を聞くとよろしくない場合もあります。セールストークや人伝に入手した情報を鵜呑みにせず、自ら調べる姿勢こそが大切です。」
 では、海外の名門ボーディングスクールへ至るためには、どのような進学ルートを選ぶ必要があるのでしょうか。グロ-バルな学歴作りの1つの解決策として、「低年齢留学」があると若草さんは提案します。

グローバルな学歴作りの第一歩としての「低年齢留学」

 日本人は「英語の壁」が厚いせいで、英語圏のボーディングスクールにはすんなり受け入れてもらえないのが現実―――。では、海外の名門ボーディングスクールへ進学するためには、どのような下積みを行う必要があるのでしょうか。低年齢留学コラムニストの若草まやさんに引き続き話を聴きました。

若草さん:「英語で学ぶ環境に慣れておくことが望ましいと思います。しかし、日本ではなかなか難しい。『インターナショナルスクールはどうでしょう。インターナショナルスクールなら日本国内にもありますよね。いずれ外国の学校に行きたい人は、まずそこに入れば?』と仰る方がいらっしゃいます。確かにありますが、あまり現実的ではありません。お子さんを海外へ出す準備段階として日本国内のインターナショナルスクールを志願したとしても、こちらもまた純日本国籍だとかなりの難関だからです。そうかといって、『じゃあ、親子留学で子どもの英語力を磨けば?』と思っても、日本で仕事を持つ親ですと、一定期間スケジュールを空けて付き添うことはままなりませんね。」
 未曾有のグローバル時代を迎え、世界中でボーディングスクール人気は高まっています。しかし日本人の場合、将来的には海外の名門ボーディングスクールを目指したいけれど、日本のインターナショナルスクールには入れない、子どもと一緒に親子留学する時間もない。かといって、日本の学校からだと英語力が伴わないために門前払いを食らってしまう……。そんなジレンマに陥りがちです。どうやって解決すればいいのでしょう。
「日本のお受験は、型通りの1つの答えをスムーズに言える子を作ります。型通りの答えをより小さい頃から言えることを日本では早期教育と呼び、 その年齢を競ったり早いほどもてはやされたりします。幼稚園の入学前から始まるその訓練に専念する時間が、 日本の子どもは長過ぎる。1日も長いし年数も長い。その結果、自分で考え意志を持って打開する問題解決力や臨機応変力を、失っていくのではないでしょうか? 現実には答えが用意されていないグローバル世紀を我が子が生きるのに適しているのかという疑問を抱き、全人教育を施すボーディングスクールへの留学を考慮なさるご家庭が増えていますが、多くが前述のような壁に突き当たります。
この問題への対応策として、『低年齢留学』があります。スイスには、5歳・6歳といった低年齢の子どもでもボーディング可能な幼年学校があります。幼年学校ですと、由緒あるボーディングスクールとはいえ入学時にさほど英語力を要求されませんし競争倍率も限られています。低年齢のうちに幼年学校でボーディング留学をスタートすることで、日本人を悩ませる英語の壁も時間の壁も、両方を一挙に解決できるのです。そこで、我が子に持たせるグローバルな学歴の第一歩として低年齢留学を選択されるケースが、今後ますます増えるのではないかと予想しています。」

最初のボーディングスクールはスイスが理想的?

 若草さんによると、ボーディングスクールには、低年齢もしくは初めての留学に向いている学校と、名門大学への進学に直結する超難関校の、2種類があるといいます。
「前者はスイスのボーディングスクールなど、後者は英国のパブリックスクールや米国のテンスクールなどに代表されます。スイスが初心者向けである理由は、ボーディングスクールがインターナショナルスクールを兼ねるという特徴があるからです。長期に渡って海外で教育を受けることを想定なさるのなら、まずそこで幼いうちから語学力と国際性を培っておけば、その後中学校や高校から、世界のトップレベルの大学に多数の卒業生を輩出するようなボーディングスクールへ進学することも容易になります。テンスクールみたいな上位校は、地元のお子さんですらそこに至るのに熾烈な競争の中しのぎを削っています。日本人が参入することは至難の業ですが、幼時期から段階を踏んで準備すれば、遠い夢ではなくなるはずです。」
-低年齢留学では、入学時の語学力は問題にされないのですか?
「5歳や6歳から入れるスイスのボーディングスクールは特にそうです。スイスのボーディングスクールはインターナショナルスクールでもありますから、生徒の大半が異国からの留学生です。成長とともに言語を習得できる年齢であれば、問題にされないことが多いですね。」

名門ボーディングスクールの学費は年間400万円以上

-GGSの学費はオーストラリアでは突出して高いとのことでしたが、年間どの程度かかりましたか? また一般的なボーディングスクールの学費はどうでしょうか。
「学年にもよりますが、GGSの学費は年間45000~50000豪ドルくらいです。加えて、ガーディアンフィーが年間5000~6000豪ドルほどかかります。ガーディアンとは、現地での身元引受人を指します。ブリティッシュスクールでは、留学に際してガーディアンを義務付けている学校が多いです。ボーディグスクールでは、1年に3~4回くらい、学期の途中にタームブレークと呼ばれる休暇が設けられていて、その間は寮に居られません。ガーディアンは、そういう時にホームステイをさせてくれたり、親が出席しなくてはいけない学校行事に代わりに出てくれたりします。ガーディアンになるには一定の条件が決められており、それをクリアした家庭だけがガーディアンに登録できます。ガーディアンは、学校と提携している会社に頼んで紹介してもらいます。
GGSでは、学費とガーディアンフィー以外にコンピューター代やユニフォーム代がさらに加わり、往復の移動費(航空運賃)を含めず1人年間500万円くらい実費がかかります。高額ですが、学費の安さで選んだ学校が経営難に陥って突然の転校を余儀なくされたという失敗談も聞きますし、先生の質などを考慮すれば、一般に名門ボーディングスクールへの留学はこのくらいの金額を覚悟なさるべきでしょう。」

ボーディングスクールから再びインターナショナルスクールへ

-娘さん2人は何年間GGSに在籍したのですか?
「長女が2年、次女が3年です。もともとは夫の海外赴任をきっかけに、いずれ英国の大学へ進学させ

るつもりでブリティッシュスクールのGGSへ入学させたのですが、長女が北米の大学に興味を持つようになったため夫の帰任と相前後して日本に帰国し、GGS留学前に一時期通った古巣のインターナショナルスクールへ戻りました。次女はGGSがとてもお気に入りで、長女が帰国する際、自分だけでも残りたいと主張したので、長女より1年長く在籍しましたが、現在は長女と同じく日本国内のインターナショナルスクールに自宅から通っています。
米国のボーディングスクールへ転入させるという道もありましたが、現・在籍校である日本国内のインターナショナルスクールは北米の大学への進学実績が高く、ここで頑張れば志望校に手が届くと思えたのと、スイス時代にボーディングスクールの醍醐味をすでに十分体験していたということもあって、校風をよく知るかつての学校に戻ることにしました。日本のインターナショナルスクールは、ひとたび入ってしまえば後々行き来しやすいという利点があります。」
―レベルが高いインターナショナルスクールならば、米国の大学への進学も問題ないわけですね。
「はい。けれども白状しますと、米国のボーディングスクールへの留学案が立ち消えになった背景には、予定外だった別の事情も関わっています。成長著しい10代の娘たちを手許に置いて学校生活をつぶさに垣間見るのが、この上なく楽しくて、テンスクールなどへ出そうという意気込みが萎えてしまったのです。こんなに可愛くて面白い年代の子どもを、海外に留学させるなんてもったいない! 世のご家庭は、よくこんな年代で手離されるなあ、なんて(笑)。幼少時にボーディングスクール留学を済ませてしまうと、セルフコントロールができる子になって帰ってくるので、あとがとても育てやすいのです。お勉強も自分で計画を立ててやってくれますから、ガミガミお説教する必要がなく、親子関係もすこぶる良好です。今は娘たちと暮らす生活をフルに謳歌しております。先にボーディングありき、で我が家は正解だったとしみじみ思います。」
 低年齢留学はグローバルな学歴を手に入れるためにはよくても、日本に戻ってきた場合に学校の選択肢がないのでは、と不安を抱く人もいます。しかし、インターナショナルスクールは意外に融通がきき、一度籍を得れば、海外に出た後に方針転換して帰ってきても戻りやすいようです。若草家は低年齢留学からスタートしたお蔭で、日本人にとっては難関のインターナショナルスクールを本拠地に定めることができました。子どもを将来どのように育てていくのか、教育方針とルートをはっきり描けているのなら、思い切って幼い頃から海外に出すのも1つの手ではないでしょうか。

ボーディングスクール人脈に日本人は入れるか?

―日本ではボーディングスクールがどういう学校か、きちんと知っている人は非常に少ないと思います。しかし教育の1つの選択肢として、今後もっと認知度が高まっていくといいですね。
「そうですね。実は、私がボーディングスクール留学に関する情報を積極的に発信しているのは、『自分の子どもがやってみてすごく良かったから』という以外に、もう1つ理由があります。 スイスのボーディングスクールの校長先生が、ある日生徒に向かって、『君たち皆が30年後に集まれば、世界中で、いいことも悪いことも、やる気になれば何でもできるんだよ』とおっしゃいました。このセリフこそが、ボーディングスクールの特殊性を示しています。
ボーディングスクールで培われる絆は、とても固いのです。『同じ釜の飯』を食べた仲間としての結びつきが、後々までずっと残っていきます。 世界の主をなす国々から生徒が集まり『同じ釜の飯』の仲間となって多感な時期を共に過ごした歴史を、欧米のボーディングスクールでは連綿と繰り返してきました。その中に、これまで日本人はあまり混じっていなかった。彼らが仲間として育つ過程に、日本人は関与してこなかったわけです。 実際にその生活を目の当たりにしてみると、『ボーディングスクー

ルの人脈に、もっと日本人が加わらなければ!』という焦燥感が募ります。
『同じ釜の飯』の仲間うちに日本人がコンスタントに少しでも居れば、彼らや、彼らの両親家族にとって、日本や日本人は身近な友人として刷り込まれ、親近感を抱いてもらえるのではないでしょうか? ひいては、国際社会において、日本が存在感や発言力を増す素地へと広がっていきそうな気がして、そういった『ボーディングキッズ』が増えることは、日本が国力を保持する一助となりはしないかと考えています。」
 世界中に散らばる「同じ釜の飯」の仲間たち。世界的名門大学への切符を手に入れるのと同時に、一生涯続く友情まで手に入れることができる―――。実はそれこそが、他の学校にはないボーディングスクール最大の魅力なのかもしれません。
 若草さんは、最後に次のように締めくくりました。
「14歳と15歳になった娘たちのフェースブックを開くと、世界中にいるたくさんのお友達につながっています。これこそが、彼女たちがこれまでの学校生活の半分以上をボーディングスクールで過ごした証であり、今後の人生で彼女たちを助けてくれる宝物となってくれるであろう、と確信しています。」

(2010年07月06日 YUCASEE MEDIA掲載)

 

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5歳から始める「スイスのボーディングスクール留学」

 

子弟を欧米の学校へ送り込むアジアの富裕層

 英金融大手HSBCは6月17日、アジアの富裕層を対象とした留学に関するアンケート調査結果を発表しました。それによると、中国の富裕層の82%が子供を将来的に海外に留学させる計画を持っていることが明らかになりました。
 調査によって判明した子供の留学を検討している家庭の割合は、中国が82%、マレーシア75%、インド70%、台湾50%、シンガポール45%、日本17%。日本は17%で6番目に多いという結果でした。アジアの富裕層にとって、海外留学はもはや当たり前のことであり、今後も海外志向はますます進んでいくものと考えられます。
 またこの調査は富裕層へのアンケートですが、世界の留学生の数としても、実際中国人が最多です。これは留学生の数はその国の経済状況がダイレクトに反映されるためで、バブルの頃は日本人の数が多かったそうですが、今は減少しています。
 1973年の創業以来、約6500人の留学生を海外に送り出してきた株式会社海外教育コンサルタント(EDICM)によると、日本では海外留学する子供の増加に加え、低年齢化が進んでいるといいます。創業当時は中学・高校生からの留学が普通であり小学生の留学は考えられなかったそうですが、1980年代後半から状況が変化。小学校5~6年生から海外のジュニアボーディングスクールへ入学する子供が増加してきたそうです。

ボーディングスクールで始める「低年齢留学」

 今でこそ「低年齢留学」という言葉は一般的になりつつありますが、実はこの言葉は約10年前から出てきたものです。この言葉を世間に浸透させたのは、現在「FESスイス留学センター」の所長を務める若草まやさん。本業は医師ですが、医師の仕事の合間をぬって「低年齢留学コラムニスト」として多方面で活躍されています。ご自身の2人のお子さんをスイスに留学させたノウハウを書いた『5歳6歳スイス留学大作戦』(かんぽう)は、子を持つ多くの親に衝撃と影響を与えました。
 今回、「スイス」と「低年齢」の2つのキーワード軸に、若草さんにボーディングスクールについて語っていただきました。

 

5歳・6歳でスイスに留学させたのはなぜ?

―若草さんのお子さんは、スイスのどのようなボーディングスクールに進学されたのですか?

「5歳と6歳の2人の娘を一緒に、スイスの『ラ・ガレン』に入学させました。4歳から13歳までの子供を対象とした定員約80名の小さなボーディングスクールで、2人はそこで3年間を過ごしました。ジュネーブから100キロ以上離れたアルプスの中腹、標高1200メートルにあります。」
―5歳と6歳というと送り出す方も不安が大きいと思いますが、なぜこの年齢で留学させようと思ったのでしょうか?
「実は、夫は子供が生まれた直後から、ボーディングスクールへ留学させることを決めていました。夫は麻布出身でしたが、日本のお受験に懐疑的だったのです。上の子が日本の小学校に入学してみて、夫はあらためて失望の念を大きくしたようです。私たちが子供の世代の教育に求めていたものは、発想力や創造力、暗記した知識でなく論理に基づく思考力、問題発見能力などです。しかし日本の学校ではそれらの能力を獲得できると思えず、海外の学校を考えるようになりました。」
―なぜスイスで、他の国ではなかったのですか?
「低学年専用のボーディングスクールをさがしたら、スイスにしかありませんでした。しかも5歳から入れるのはスイスでも3校のみ。イギリスにも1校ありますが、それは男子校です。」

低年齢留学では、語学力は「副産物」

―低年齢で留学するメリットは何でしょうか?
「まず1つのメリットとして、低年齢ならではのコストパフォーマンスの良さがあります。そもそもスイスのボーディングスクールは学費が高額なことで知られていますが、その中にあっても大きい学年になるほど学費が上がる傾向があります。ラ・ガレンの学費は年間約450万円で、それにユニフォーム代やショートトリップ代、往復渡航費などもろもろ含めると年間の総額は600万円前後になります。しかし中学校・高校からのスイス留学だと年間800~1000万円くらいは覚悟する必要があります。」
―小さい時に留学すれば、語学力が自然につくということも大きなメリットですか?
「留というと、日本人は語学力を目的と考えがちですが、低年齢留学においては、語学力は目的というより副産物です。低年齢だとお友達ができるのが早いせいもあり語学力はすぐについてきますし、入学時に語学力を要求されないので、最初からアカデミックな面を重視して入りたい学校を選択できます。それに比べて、高校生など高学年での留学はどうしても語学力自体が目的になってしまいがちです。ア

カデミックレベルの高い学校はある程度の語学力が求められるため、入れる学校も限られてしまいます。」
―なるほど。語学力がなくても好きな学校が選べるというのは、新鮮な観点でした。
「それが、低年齢留学の最大のメリットです。低年齢なら語学力はコミュニケーションを通して自然に身につくので、語学習得のためだけの余分な留学期間を費やす必要がありません。小学生が終わった段階で、英語やフランス語で年齢相応のスピーチをしたりエッセイを書いたりすることは普通にできるようになっています。また、英語やフランス語だけでなく、スイスにはロシアやスペインなど多くの国の生徒が集まるため、様々な国の言語や文化に触れることができますよ。その後の進路もグローバルな視点で選べるようになり可能性がグンと広がります。」

寄宿舎のバックアップ体制は?

―低年齢の寄宿舎は、生活面が不安だという親御さんも多いと思われますが?
「そうですね。でも母親代わりになって、やさしくこまやかにお世話してくれる人が寄宿舎には住んでいます。毎日の服の整理や髪の手入れ、お風呂など日常全般に渡って手助けしてくれます。最近は働くお母さんも増え、日本で子供と同じ屋根の下に住んでいても目が行き届くとは限りません。低年齢向けボーディングスクールの寄宿舎は、生活面はきっちり管理してくれるので、その点ではむしろ安心です。」
―ホームシックにはなりませんか?
「ホームシックは何歳で出しても不可避なものですが、低年齢だと適応力があり乗り越えやすいのか子供はすぐに慣れるようです。それに引き換え、親はすごく寂しいですよ。親が寂しいことと教育費の負担が大きいこと、これが低年齢留学のデメリットです。でも、ボーディングスクールの親業は一度やればハマります(笑)。子供が自分とは全く違う充実した学校生活を送っている、それも、ワクワク楽しそうに! お金はかかりますが、親にとってはまるで別の人生を1から生き直しているかのような喜びをもたらしてくれるメリットがあり、エキサイティングな経験です。子供たちも明るくのびやかに成長してくれましたし。」

 

―寄宿舎生活で身についたことは何でしょうか?
「規則正しい生活とサバイバル力です。しっかりセルフコントロールができる子供になって帰ってきました。毎日当たり前のように勉強するし、本を読む習慣がついています。家で親が先生の役目を兼ねずに済むので、親子関係も良好になります。また勉強だけでなく、ボーディングスクールではお稽古事も学校内で完結します。バイオリン、乗馬、スキーなど、様々な習い事をさせてもらえます。自分の家から通わせるとしたら手間が大変ですし、時間や費用もかかります。生活全てを任せているからこそ、ここまでしっかり面倒をみてくれるのです。」

小学校を海外で過ごして、日本に帰ってくることはできる?

―低年齢留学をする上で、その後の進路や、日本に帰ってこれるかどうかという点も、親御さんは不安に思われると思います。海外で例えば小学生まで過ごした場合、中学・高校から日本へ帰ってくることはできるのでしょうか?
「帰国子女枠を利用して日本の中・高に転入するなど方法はありますが、カリキュラムの乖離を埋めるのに苦労するかもしれません。実際には、低年齢で留学なさるご家庭の多くは、最終的に海外の大学進学まで視野に入れた教育計画を立てておられることが多いです。我が子に与えたいのはどんな教育なのか、将来どういう学歴をつけさせたいのかを、あらかじめ長期的な目線で整理しておくことが大切です。その軸足が定まらないまま、ただ闇雲に海外に行かせたいからという理由だけで留学させたら、こんなはずじゃなかった、という結果になりかねません。海外でずっと育ててもいいという覚悟があって、グローバルな学歴をつけさせたいと望んでいる。そういうご家庭にとって、低年齢から始めるスイスのボーディングスクール留学は1つの解決策になりうると思います。」
―とはいえ、家庭の事情や様々な理由で、日本へ帰国しなくてはならない場合もあると思うのですが?
「ご家庭の事情以外にも、海外生活がどうしても合わなかったりして、帰国するケースもあるでしょう。その場合でも、高校に入ってからだと日本での受け皿を確保するのが大変ですが、義務教育年齢にあたる小中学校のうちなら、公立の学校に戻ることができます。そういう意味でも、低年齢の方が冒険しやすいかもしれませんね。」
―ラ・ガレンから帰国した後、お子さんたちはどのような進路を選んだのですか?
「2人は現在13歳と14歳になり、日本国内にあるインターナショナルスクールに通っています。秋には上の子がハイスクールへの進学を控え、同級生の間で『将来、どの大学に行く?』と、欧米の具体的な大学名を挙げて話し合ったりしているようです。普通なら、これからいよいよ海外へ留学させようかと考える年齢です。小さい頃に寂しさを我慢した代わりに、今一緒に過ごせるのが幸せですね。思春期の成長著しい子供たちの日常を手許に置いたまま近くで見られるのは、とても楽しいです。」

 

スイスにボーディングスクールが多い理由

―そもそも、スイスにはなぜボーディングスクールが多いのでしょうか? レマン湖沿いには人気の高い、富裕層の子弟が集うボーディングスクールがたくさんあります。
「まず、風光明媚な地理的条件があり、ヨーロッパの富裕層向けリゾートとして発展を遂げてきたという歴史があります。また、スイスのボーディングスクールの多くは、ボーディングスクールでありながらインターナショナルスクールである、という特色があります。つまり、自国民の生徒がたくさんいるところに留学生がお客様として入り込むのではなく、どこの国から来た生徒も対等の立場で友人関係を育むことができるのです。そのため、世界中から富裕層の子弟や優秀な生徒たちが集まってきました。」
 海外教育コンサルタント(EDICM)によると、アメリカのボーディングスクールは多くても留学生の割合は20%で、アメリカ人のための学校ということが基本だといいます。しかしスイスのボーディングスクールは他国と異なりインターナショナルスクールなので、海外からの生徒の受け入れに大変寛容なのです。
―スイスに富裕層の子弟が集うのは、そのような背景があるのですね。
「はい。また、スイスのボーディングスクールの多くは、イギリス式とフランス式、学校によってはアメリカ式やドイツ式も選択できるなど、1つの学校で2~3カ国の教育カリキュラムが並行して学べるシステムなので、生徒たちの多様な進路の需要に適応しやすいという面もあります。」

日本にも低年齢向けボーディングスクールはつくれる?

―スイスでの3年間で子供たちが獲得した能力は、まとめるとどのようなものでしょうか?
「どんな相手とでも物怖じせず即座に交流できるコミュニケーション能力。世界語としての英語力、フランス語・ドイツ語などの第2・第3外国語力。多彩な人脈。グローバルに通用する上級学校に進学しうる学力、などです。スイスのボーディングスクールは、個々の生徒のニーズに合った学校生活をこまやかにアレンジしてくれます。質の高いパーソナルな教育を受けるには高額な費用がかかりますが、でも反面、お金のかけがいがあるのもスイスの教育です。」
―若草さんにとって、スイスでの低年齢留学は成功したと言えますか?
「成功かどうかは2人が大人にならないとわかりませんが、現時点ではこれがベストであったと思っています。夫と私が、娘たちに身につけて欲しいと願っているのは、『普遍的生存能力』です。英語やコンピューターは、そのための道具に過ぎません。『普遍的生存能力』を培うには、年齢も文化も異なる

子供同士が切磋琢磨しながら育つスイスのボーディングスクールに、5歳・6歳というあの年齢で出すのが我が家にとっては最も適していたのだと、とても満足しています。」
―留学コラムニストとして、今後はどのような活動をされますか?

「娘たちを託せる学校をさがし求めて見つけたスイスの低年齢向けボーディングスクールに、すっかり魅せられてしまいました。日本ではあまり知られていなかったラ・ガレンなどそれらボーディングスクールの素晴らしさをより広くお伝えできるよう、これからも活動していきたいです。また、最近は低年齢留学という言葉が浸透し、ご相談を受ける機会が増えました。留学の意義はわかるものの、しかしスイスは日本から遠いのと費用がかさむので、小さなお子様を手放しにくいと仰るお声をよく耳にします。そのため、いっそのこと、日本国内にもラ・ガレンのような低年齢向けのバイリンガルボーディングスクールを創れないかと思案しているところです。」
 5歳からのボーディングスクール留学は、親にとっては不安が尽きず、また幼すぎて現実的ではないと考える方も多いようです。一方、真に世界に通用する国際人を育てたいと願う親は、すでにこうして実践し、海外の大学進学を視野に入れ世界で通用する社会人となるであろう子供たちを着々と育てています。
 低年齢留学は、本人のアイデンティティの所在や日本語能力において、その是非が激しく議論されるテーマでもありますが、それらに関する若草さんなりの見解は著書『5歳6歳スイス留学大作戦』(かんぽう)で詳しく述べられています。
 ボーディングスクール留学は富裕層だからこそ実現できる、究極の教育の選択肢です。質の高い教育という、一生散逸することのない貴重な財産を子供に持たせることができる、「無形の財産分与」なのかもしれません。子供の未来と教育の可能性に賭けて、このような選択肢を選ぶことも、1つの大きな成功への道と言えるのではないでしょうか。

(2009年07月03日 YUCASEE MEDIA掲載)

 

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 スイスには多数のボーディングスクールがありますが、その中でも特に有名な名門校は「ル・ロゼ」、「エイグロン・カレッジ」、「ボー・ソレイユ」、「コレージュ・デュ・レマン」です。この中で最も伝統があるのは1880年創立、王侯貴族や富裕層の子弟が集まる学校として知られるのは「ル・ロゼ(Le Rosey)」。モナコ公国大公レーニエ3世やベルギー国王、イギリス王室やデンマーク王室関係者、ジョン・レノンの息子など著名人の子息たちなど、そうそうたる顔ぶれが卒業生リストに並びます。
 「ル・ロゼ」にはどのような生徒たちが集まり、どのような学校生活が営まれているのでしょうか。今回YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)は「ル・ロゼ」に高校3年間在籍し、昨年英ケンブリッジ大学に進学したS.U.さん(19)に、ル・ロゼの学校生活についてインタビューしました。

「ハリー・ポッターのような寮生活に憧れていた」

 現在ケンブリッジ大学1年生のUさんは中学校まで日本で育った生粋の日本人女性。普通に高校受験をして日本の高校に入ったものの、高1の9月からル・ロゼへ留学しています。大学の休暇中にイギリスから日本の実家に帰省していたUさんに直接お会いして、お話を伺ってきました。
―日本の高校に入学していたのに、なぜスイスの高校に進学しようと思ったのですか?
Uさん:「元々、いつか留学したいという思いはずっと持っていました。高校から留学したのは、高校受験が終わってからの方が、日本語のベースがしっかりできているし、また英語も基礎力がついていると思ったからです。日本の高校にも1年生の1学期は在籍しています。スイスを選んだのは、安全だし、英語とフランス語の両方学べるのがいいと思ったからです。」
―スイスにはたくさんのボーディングスクールがありますが、その中でル・ロゼを選んだ理由は?
Uさん:「スイスでは3つの候補から選びました。1つはアメリカンスクールのタシス、もう1つはイギリス系のエイグロン・カレッジ、あとはル・ロゼです。この中で、ル・ロゼが一番気に入りました。私というより、父が気に入ったという点が大きいですが(笑)。『ハリー・ポッター』のような全寮制の学校に憧れていて、同年代の友だちとずっと一緒にいたいという思いが強かったので、全寮制に抵抗はありませんでした。」

世界中を転々としていたため、ル・ロゼが初めての学校という子も

―寮生活で大変だったことは何ですか?
Uさん:「オンとオフの違いがないことです。いつも同じメンバーだし、寮には先生もいるし、学校が終わっても学校にいるような気分でした(笑)。男女別の寮で、学年によって違いますが、基本的に2人部屋。最終学年の寮は1人部屋もあります。学校の施設はとてもきれいで、クリーニングの人たちがこまめに面倒をみてくれます。男子の寮はそうでもないらしいですが(笑)、女子寮はとてもきれいですよ。」
―寮生活を始めると、生徒たちはどんなところが変わってきますか?

 

Uさん:「入った当初とは全然変わりますね。入ると、開けてくるというか、角がとれて丸みが出てくるんです。寮と、ルームメイトたちが人を変える。ルームメイトとの喧嘩やトラブルもあるけれど、協調性がすごく養われます。親が世界中のあちこちを飛び回って仕事をしているので、学校に落ち着いて通ったことがなく、ここがはじめての学校生活という子もいました。大切に大切に育てられた子供たちが初めて他人と一緒に暮らすので、みんなとても大変なはずです。」
公用語は英語でも、フランス語は理解できて当然

―校内の公用語は英語ですか?
Uさん:「はい。ですが朝礼の時など、校長先生はフランス語で話しますし、フランス語は当然理解されるだろうと思って話されています。英語も最初は苦労しました。日本では英語ができると思っていましたが、向こうに行くと大変。授業は理解できるのですが、友達との日常会話に苦労しました。慣れていないので、言っている内容にも早さもついていけないし、ちょっとした会話のテンポをはずさないようにするのが大変なんです。でも毎日毎日が進歩だと体で感じていて、一ヶ月くらいしたらかなり変わりました。会話に不自由しなくなったのは1年くらいたってから、日本語より英語の方が出てくるようになったのは2年生からです。」
―日本人の生徒数はどのくらいですか?
Uさん:「私の時は少なくて5人でした。今はジュニアにも結構入っていて、12・13人くらい入っているそうです。50カ国くらいの生徒が集まっています。」
―ル・ロゼの入学試験は英語ですよね。試験の難易度は高かったですか?
Uさん:「私はあまり大変という印象はなかったです。試験を日本で受けて、5月にスイスで面接試験を受けてすぐ合格をもらい、9月から入学しました。その時は日本人が少なかったというのもあったかもしれません。でも他の人は1年以上前から用意されている人が多いはずです。というか……実は高校受験が終わってから留学しようと思い立ったので、アメリカや他国のボーディングスクールは願書受付が間に合わなかったんです(笑)。いつかは留学したいと昔から思っていたのですが、結構ぎりぎりに決めました。ですので、私はちょっと特殊なケースかもしれません。」

冬季は高級スキーリゾート・グシュタードにキャンパスが移動

―ル・ロゼは2つのキャンパスがあると伺いました。
Uさん:「はい、春夏秋と冬でキャンパスが変わります。春から秋はレマン湖畔のキャンパス、冬は1月の初めから3月の初めまで約2ヶ月間、グシュタードに学校の機能が完全に移転します。冬のキャン

パスでは、学校が終わると毎日午後はスキーやスノーボード。IB(インターナショナルバカロレア)のプログラムでスポーツは大変重視されていて、必ずやらなくてはいけません。ここを選んだ理由の1つとして、2つキャンパスがあるということも大きいですね。それにこの学校ではそれまで好きだった乗馬もゴルフも、好きなことは何でもできると聞いて、行きたいと思いました。」
―乗馬なんて日本の普通の学校ではまずできないですから、魅力的ですね。
Uさん:「乗馬やゴルフは、授業以外のスポーツブロックの中でできます。キャンパスはスイスですが、フランスにル・ロゼの厩舎があるので、自分の馬を持っている人は持ってきて、そこへ置いておくことができます。」

IBとフレンチバカロレア、2つの教育プログラム

 ル・ロゼのカリキュラムは、国際的教育プログラム「IB(インターナショナルバカロレア)」と、フランスの教育システムに沿ったプログラム「フレンチバカロレア」の2種類があり、全生徒が必ずどちらかのコースを選びます。
―IBとフレンチバカロレアでは、IBを選ぶ生徒が多いのでしょうか?
Uさん:「ほとんどの子がIBを選びます。昔はフレンチが多かったそうですが、フレンチバカロレアは取得がすごく難しくて大変なんです。試験期間も長くて、IBの試験が終わってもその後2ヶ月間くらいやっていたりします。科目数も多いです。」
―クラスの人数や、先生との関係はどうですか?
Uさん:「日本だと生徒と先生の割合は40対1とか50対1くらいで、先生との交流も限られます。ル・ロゼでは一番多くても1組10人くらいです。クラスの人気度にもよりますが、マンツーマンの授業もありますし、自分の進度に合わせて授業をしてもらえます。私の場合は母国語の日本語は、日本人の先生とのマンツーマンでした。母国語を大事にするという観点から母国語は全員がしっかり学ぶことになっていて、ニーズがあれば、何人でも先生は雇ってもらえます。」
―語学以外のどんな教科でも、先生をすぐ雇ってもらえるのですか?
Uさん:「はい。必要性があればいくらでも費用を投じて、誰でも何でも雇ってくれます。それがこの学校の良いところです。ニーズさえあれば、何でもできるし、やらせてもらえる。そんな学校は世界でも珍しいと思います。」

ル・ロゼは学校が1つの家族のようなもの

 スイスの名門ボーディングスクール「ル・ロゼ」は全校生徒約360人。高校は各学年70~80人くらいで、生徒の出入りはかなり激しいといいます。
―ル・ロゼの校風はどんな感じですか?
Uさん:「上下関係とかはないですね。厳し過ぎず、自由過ぎず。学校が1つの家族のようなものなので、ほとんどの生徒と仲良くなります。中学の子たちとも多少交流はあります。中学までは先生の監視が厳しくて、お小遣いも少ないし、自分たちだけではジュネーブに行けなかったりします。」

 

カクテルドレスを着て華やかに楽しむシニアボール

―王族関係者、著名人、富裕層が多いというのは本当ですか? 服装の規則も厳しいそうですね。
Uさん:「はい。生徒は有名人の子供だったり、お金持ちの家の子だったり、みんな裕福な家の子ですね。服装は制服もあるし、みんなキレイにきちんとしています。特に男子はカラーがないといけないし、清潔感のある服装をするよう指導されます。」
―ジーンズは禁止というのは本当ですか?
Uさん:「まあ、実際はジーンズとかもはいていたりもします(笑)。でも、ヒップハンガーみたいのはダメ。男子はひげも毎日剃りなさいと注意されます。制服は、始業式みたいな式やパーティーの時に着ます。パーティーの時は、女子はドレス。11月上旬にシニアボール、2月14日にバレンタインボールという大きなパーティーが年2回あります。女子は毎年カクテルドレスを華やかに着飾っていきますが、毎年豪華に派手になっていくんです(笑)。」
―学校行事で最も好きだったのは何ですか?
Uさん:「私が一番好きだったのはシニアボールです。それが1年で一番大きい行事。学校からローザンヌのホテルに移動して行のですが、ロビーを借り切って、食事してダンスして。高校3年生の最後のボールはアメリカでいうプロムのようなもので、みんなすごく楽しみにしていて、華やかに着飾って楽しみます。」
Uさん:「あと、旅行にたくさん行けるのもいいです。10月中旬くらいに1週間くらいお休みがあるのですが、そこで学校が用意する旅行に行けるんです。コスタリカ、ドバイ、などいろんなところに行けます。私はアイスランドに行きました。成績は5段階あるのですが、一番上のクラスの人は『オナーズ・トリップ』といって、学校が旅行に連れていってくれます。オーナー(校長)の趣味で、イスラエルとかケニアとか、地中海クルーズとか。私は2年目にオナーズ・トリップでケニアに行かせてもらいました。それに50カ国から生徒が集まっているので、友達の家に遊びにいくというだけでも、いろいろな国に行けます。みんな、卒業後も愛校心が強いですし。」

いつからボーディングスクールに留学するべき?

―教育の専門家には、小さい時から留学準備しないとだめだと言う方も多いです。Uさんは留学時期が遅い方ですよね。
Uさん:「結構稀なケースだと思います。でも、海外に旅行で何回か行っていたし、英語に触れる機会は多かったです。私は大学だとちょっと遅くて、多感期の高校生くらいまでに行った方がいいと思っていました。日本にいると、なかなか教育システムの中から抜け出すのが難しいですが。」
―高校1年生から留学した場合のメリットは何だと思いますか?
Uさん:「あまり小さい頃から海外に行くと、日本人としてのアイデンティティがなくなることがあります。ル・ロゼにもそういう人がいっぱいいて、『自分は○○人だけど、いろんなところに住んでいて、自分が何人というのはない』という人がいっぱいいるんです。だから、自分が日本人であるということがしっかり確立して、しかもまだ柔軟な時期に海外に出ることができたのはよかったと思います。親子関係としても、中学くらいまでなら生活ルールやマナーをしっかり親から教えてもらえるし、ある程度のものをわかった上で出ることができます。」

 

―では、逆に中学やもっと下の年齢から留学する場合のメリットは何だと思いますか?
Uさん:「小さな頃から行けば、語学はバイリンガル、トライリンガルにはなれますね。やっぱり家庭ごとに何を最優先するのか?ということなんじゃないでしょうか。ル・ロゼには、中学3年生か高校1年生で入ってくる子が一番多いです。最後の2年がIBのカリキュラムになるので、そこから入ってくる子はいません(英語圏以外では)。英語がネイティブでない場合は、高校1年生から入って慣れておかないと厳しいですね。」

ル・ロゼからケンブリッジ大学へ進学

―卒業後は海外の大学に行こうと初めから考えていたのですか?
Uさん:「いいえ、卒業後は日本に帰ろうと思っていたので、海外の大学はありえないと思っていました。でも2年経って英語に慣れてきたとき、海外を考えてみようかと思いました。それなら、せっかくだからケンブリッジ大学を考えてみようと。ル・ロゼはインターナショナルスクールですが、ケンブリッジはイギリス人メインの学校だから、また全然違う世界です。」
―将来はどんな仕事に就きたいと考えていますか?
Uさん:「ケンブリッジでは教育学と音楽学を学んでいますが、将来のことはまだあんまり考えていません。日本に戻るか、海外にいるかはわからないですが、国際関係の仕事ができればと思っています。」
 昨年秋からのケンブリッジでの生活にもすっかり慣れて、今は大学生活を満喫しているとのこと。高校1年生からボーディングスクールという、一般的にはかなり遅めの留学スタートですが、しっかり海外の大学へと進学できる学力を得て、充実した学生生活をおくっているようでした。
 「ル・ロゼはとってもユニークな学校。こんな学校は世界に1つしかありません」と笑顔で語ってくれたUさん。他の学校と最も異なるところは、「やりたいことを何でもやらせてくれる」こと。キャンパスが季節によって移動する、乗馬からスキーまで多種多様な趣味・スポーツができる、必要であれば1人の生徒のためにでも教師を雇うなど、学生に惜しげもなく費用をつぎ込むその姿勢は、確かに一般的な日本の学校では考えられないことです。世界の王室関係者や著名人の子息が集うのも、他の学校ではありえない寛容さがあり、1人1人の生徒に合わせた教育を施してくれるからでしょう。
 またUさんとの会話にも出ましたが、留学を考える際に最も大切なのは、家庭ごとで「何を最優先させるか?」ということが明確になっていること。語学を優先したいのか、日本人としてのアイデンティティを優先したいのか、その場合、タイミングはどこがベストなのか。家庭ごとに異なる教育目標があるはずで、それを「一般的にこの時期で、この方法が良いとされているから」という大雑把な一言で括ることはできません。子供をどのように育てていくか、それをできるだけ子供が小さいうちに決めることが、留学を成功させる上では最も重要なことだと言えます。

(2010年03月10日 YUCASEE MEDIA掲載)

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沿革

2005年、当時、三井物産株式会社にて海外投資審査、企業合併等を担当していた高岡壮一郎が、同社退社後、マンションの一室からアブラハム・グループを創業。2006年、金融資産1億円以上の富裕層限定会員組織「YUCASEE(ゆかし)」を開設。その2年後の「富裕層はなぜ、YUCASEE(ゆかし)に入るのか?(著者:高岡壮一郎/幻冬舎)」はベストセラーに。

 2007年、ゆかし会員からの「本物の金融商品情報が欲しい」「既存の国内金融機関に満足できない」というニーズに対応して、2008年子会社のアブラハム・プライベートバンク株式会社が、「富裕層向け投資助言会社」として海外直接投資をサポートする事業を行う。

 2012年9月、アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社が新たなWebメディア「海外投資新聞」を創刊。オフショアファンド、海外投資、海外積立投資をテーマとした専門サイトとして注目を浴びる。創刊号では、竹中平蔵 元大臣と当社代表高岡壮一郎が対談し、竹中平蔵氏から海外投資に挑戦する個人投資家へのエールを頂戴する。

メディア実績

2014.04.13 読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」 ゆかしメディアの記事が、情報提供元として番組内で紹介。

 2013.11.07 「AERA」アブラハム・プライベートバンクが掲載。

 2013.01.04 「週刊現代」「『安倍バブル』の賞味期限は?」にて当社代表 高岡壮一郎がコメント提供。

 2012.10.15 「週刊ダイヤモンド」特集で『ゆかし会員調査結果』掲載。

 2012.09.25 「日経産業新聞」海外投資に特化した総合サイト「海外投資新聞」が紹介される。

 2012.09.20 「税研」当社作成資料が掲載

 2012.08.21 「ダイヤモンド・ザイ」「富裕層が始めてる勝ち逃げの相続・節税・海外投資」に、企画取材協力。

 2012.03.14 書籍「日本人が知らなかったリスクマネー入門」(岩崎博充著、翔泳社)ゆかしメディアが「ヘッジファンド情報が詳しいサイト」として紹介。

 2012.02.20 書籍「図解入門ビジネス 最新 投資ファンドの基本と仕組みがよくわかる本」(岡林秀明著、秀和システム)当社が作成した「ヘッジファンド資産額ランキング」が掲載。

 2012.01.19 書籍「2022―これから10年、活躍できる人の条件」(神田昌典著、PHPビジネス新書)ゆかしメディアの記事が掲載。

 他、多数。

富裕層のための ゆかしメディア( YUCASEE MEDIA ) 傑作選 ~教育編(1)~

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富裕層のための ゆかしメディア( YUCASEE MEDIA ) 傑作選 ~教育編(1)~

富裕層に人気の「最上級を刺激する」情報サイト、ゆかしメディアから教育に関する3つの厳選記事をご紹介。海外の名門ボーディングスクール入学エピソード、インターナショナルスクール体験記、スイスのボーディングスクール卒業生のインタビューなど、お子様の海外留学を検討される親御さん必見です。

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